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October 31, 2006

いにしえのアーティストたちの美と想像力の遺産を紹介。

新レーベル"エーテー・クラシックス"第一弾
人気挿絵画家
『アーサー・ラッカム』作品集
Arthur Rackham

新レーベル第一弾として刊行された、英国の挿絵本黄金期に活躍した挿絵画家アーサー・ラッカムの作品集。1996年に旧トレヴィルより刊行されてまもなく絶版となって以来、復刻の要望が絶える事のなかった一冊です。本書では、ラッカムが手掛けた数多くの挿絵本のなかから、当時爆発的な人気を博した『ケンジントン・ガーデンのピーター・パン』、ジョン・テニエル版と現在人気を二分する『不思議の国のアリス』、シルエットを使った実験的な『シンデレラ』、ヴァーグナーの大作をギフトブックにした『ニーベルンゲンの指輪』、病床で描き上げ遺作となった『楽しい川辺』などを紹介しています。光の中で樹々が揺れ、闇の中で炎が燃える。愛らしく可憐な妖精たちが輪舞し、小さな動物たちの話し声が聴こえる。ラッカムによって詩情豊かに描かれた挿絵が、私たちをファンタジックな物語世界へと誘います。古き良き時代の最後の挿絵職人ラッカム。その人柄と生涯については、大瀧啓裕氏による解説にて詳しく紹介されていますので、どうぞご一読ください。


エーテー・クラシックス第二弾 
妖精画集の決定版
『ミッドサマー・イヴ 夏の夜の妖精たち』
Midsummer Eve

シリーズ第二弾は、ヴィクトリア朝時代を中心に描かれた多様な妖精画のコレクション、『ミッドサマー・イヴ 夏の夜の妖精たち』です。タイトルにあるミッドサマー・イヴとは、夏至祭前夜のこと。異境に棲む者たちと人間とが森のなかで混じり合う日とされ、シェイクスピアの『夏の夜の夢』も、この日を舞台に描かれています。本書では、『夏の夜の夢』をはじめ、ケルト語神話や中世ロマンス、イングランドやスコットランドの民間伝承、アンデルセン童話やグリム童話などの物語に登場する妖精たちと、妖精たちの棲む不可視の世界に魅入られた画家たちについて紹介しています。ラッカム(『アーサー・ラッカム』画集未収録作品多数含)、デュラック、ペイトン、ダッド、ドイル兄弟、グリムショー、フィッツジェラルド他、貴重な妖精画コレクションと充実した妖精論を通して、リリカルでミステリアスな妖精世界を覗いてみてください。(復刻にあたり、収録作品のいくつかをより美しい版に差し替え、初版時の解説に辺見葉子氏が加筆修正されています。)


エーテー・クラシックス第三弾 
幻の異色画集、復刻決定!
『水の女 溟き水より』 From the Deep Waters

トレヴィル出版時、版を重ねるごとに熱狂的なファンを獲得した幻の画集『水の女』をクラシックス・シリーズ第三弾として復刻致します。アーサー・ヒューズ、ジョン・エヴァレット・ミレーの『オフィーリア』、ウォーターハウスの『シャロットの女』や『ヒュラスと妖精たち』、クリムトの『海蛇I』、レイトンの『漁師とセイレーン』、バーン=ジョウンズの『深海』、カバネル、ブグローの『ヴィーナスの誕生』など人気の名画44点を、テート・ギャラリー、オルセー美術館、ルーヴル美術館、フォッグ美術館、マンチェスター市立美術館、リヴァプール国立美術館など所蔵美術館提供の美しいイメージで紹介した贅沢な画集です。ラファエル前派やロマン派など19世紀の画家たちが描いた、水と女たちの美しくも残酷な関係。愛と死の誘惑から成る官能と退廃の美をご堪能いただけます。

é.t. : October 31, 2006 02:00 PM

 
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