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October 20, 2006

トレヴァー・ブラウン画集 『マイ・アルファベット』<新装版>

アルファベットに託されたエロチックでちょっぴり残酷な美少女ファンタジー。

アニメ大国日本でロリータ幻想の翼を奔放に羽ばたかせ、世界中を熱狂させたトレヴァーの代表作が、新カバー色(プラム)を纏い、脳を鍛える「塗り絵ブックレット」をプラスして再登場しました。その他、前作『リトル・ミス〜』と同じタオル地(パイル地)が可愛らしいオレンジとライト・ブルーの特別仕様版も著者サイン入り各100部限定で登場(扱いは通販のみ)です。


NGギャラリーで出版した国内におけるトレヴァー最初の作品集『EVIL』(1996)、それに続く『Trevor Brown』(トレヴィル、1997)までは、トレヴァー画集は過去の作品のアンソロジーとしてまとめられていました。しかし本書の旧版『マイ・アルファベット』(エディシオン・トレヴィル、1999)以降は、著者自身によりひとつのまとまったテーマを与えられ描き下ろされた作品群によって構成されるようになります。それまでCGを多用した絵作りも、油絵の具やアクリル絵の具を用いた本格的な絵画作品へと変化。『マイ・アルファベット』以降、トレヴァー・ブラウンはイラストレーターではなくまぎれもなく画家としての姿勢を貫いているのです。医療ものをまとめた『メディカル・ファン』(エディシオン・トレヴィル、2001)は例外として、『リトル・ミス・スティッキー・キッス』(エディシオン・トレヴィル、2004)も同様にひとつのテーマをもって描き下ろされた絵画作品群(同展覧会も開催)でまとめられていますし、ラバー・フェティッシュな少女イメージをテーマに近々リリースされる予定の『ラバー・ドール』(エディシオン・トレヴィル、2006~2007)も約2年間の制作期間を費やした渾身の描き下ろし作品となっています。トレヴァー・ファンには是非とも原画の魅力を展覧会場で味わっていただきたいと思いますし、懐事情が許すならばオリジナル作品をコレクションしていただきたいものです。残念ながらトレヴァーはこれまでは主に東京圏でしか展覧会を開いてきませんでしたが、次回の「ラバー・ドール」では東京展(ルデコ・ギャラリー/2007年1月23日〜28日)に加え、2月にはじめて大阪でも展覧される予定なので、関西地区のファンは要チェックです(詳細は小社ブログであらためてお知らせします)。ところで今回の新装版は単に表紙色をプラムに変えただけではありません。もし旧版をお持ちの読者なら既にお気づきかも知れませんが、図版の印刷クオリティが前回より数段アップされました。絵本らしい束厚を維持するために本文用紙に変更はないのですが、より色鮮やかで濃度感ある印刷表現を心掛けました。また新しい読者への特典として、著者によって塗り絵ブックレット(「マイ・アルファベット+」)が付け加えられました。さらにピンクのパイル地が表紙の前作『リトル・ミス・スティッキー・キッス』をお持ちの読者への特典として、同じパイル地オレンジまたはライト・ブルーの限定版も用意しました(シックな通常版のサテン地とは全く趣きが異なる楽しいバージョンです)。シリーズとして是非ともコレクションに加えていただきたいものです。

é.t. : October 20, 2006 08:06 PM

 
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