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October 20, 2007

ピエール・モリニエ画集

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黒いコルセット、絹のストッキング、とぎすまされた尖端と踵をもつハイヒール。フェティッシュをまとったスクブス(淫夢女精)たちが、画家の精液を塗り込めたタブローの中で繰り広げる終わりなきエロスの煉獄。

拳銃自殺を遂げる最期の瞬間まで、偉大なスキャンダリストであった画家は自らに誓う。「善き他者であるより、悪しき自分自身たれ」と。


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澁澤好みの作家であったモリニエの作品が、現在、横須賀美術館で開催中の澁澤龍彦展でも一般公開されている。たしかに今日では、ピエール・モリニエ(1900~1976)は、『シャーマンとその創造物たち』に代表される自己性愛的なフォトモンタージュ作品を大量に生み出した、シュルレアリストの中でもとりわけ異彩を放つ作家として知られているだろう。それゆえ世界各国で発行されるモリニエ研究書も勢いフォトモンタージュ作品が中心である。しかしながら、これらの所業が作家最晩年期のほんの10数年の活動にすぎず、むしろ人生のほとんどを画家として生き、アンドレ・ブルトン、ジョイス・マンスール、エマニュエル・アルサンとの、どの出会いも画家としてのモリニエであったことを忘れる訳にはいかない。本書は世界でも類をみないエロスの画家の精髄をまとめあげた現存するほとんど唯一の作品集である。エロスの煉獄に生き、ボルドーの密室でひたすら「狂気の愛」を追い求め、拳銃自殺によって究極の快楽主義に殉教したモリニエの生涯を、関連人物らとともに豊富な図版を付し詳しく紹介する。少部数生産ながら十数年ぶりの貴重な改訂復刻である。

解説 巖谷國士


ピエール・モリニエ Pierre Molinier
画家。写真家。ナルシシスト。フェティシスト。女装狂。近親相姦と死姦愛好者。両性具有者。天使。涜神者。拳銃自殺者。


「Pierre Molinier」Pierre Molinier
4,515yen(税込)

2007年11月上旬 刊



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é.t. : October 20, 2007 10:18 AM

 
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