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July 25, 2005
『丸尾画報EX I』編集および造本について
本書は、1996年トレヴィルから刊行した『丸尾画報I』の増補改訂新版です。旧本を土台にしながらも、新図版を加えるためにページネーションを大幅に改編。印刷の再現性やインクの着肉感を大幅にアップさせたので、旧版との色乗りの違いは歴然です!
当時収録できなかった名作(ジョン・ゾーン率いるネイキッド・シティの「トーチャーガーデン」「ネイキッド・シティ」等のアルバム群に分散掲載されていたイラスト群を発掘[1989〜1991]し初収録。ジョン・ゾーンからもあらたにオマージュをもらいました。)また、『新世紀SM画報』(朝日ソノラマ、2000年刊)以降、2005年直近までの新作を収録。さらにデッサン、単行本未収録の漫画(初出時は墨1色でしたが今回鮮やかな2色頁にバージョンアップ。しかも墨色にはミレニアム・ブラックというたいそう黒々と色がでるインクを採用しています)、丸尾氏によるシュールな新エッセイなどあらたなコンテンツを大増量、ページも旧版128頁から176頁にブローアップしました。旧版のハードカバー仕様は大重量になるため、箱装のソフトカバーに変更。さらに表紙にはムードたっぷりのグラシン紙掛け、贅沢な朱色の天地小口塗り。これによって昭和少年漫画誌の雰囲気を出せるようになりました。装幀は旧版に引き続きミルキィ・イソベ氏。「ポップ、サイケ、シュール、ミステリーが融合した丸尾末広一流の昭和デカダン美学の集大成!」という要求値の高いデザイン・コンセプトをみごとに実現していただきました。さらに、テキストの書体にもこだわり、旧漢字調にあらため昭和初期っぽい字面の雰囲気を追求。ページ内のグラフィックや文章面が擦れて古びた感じになっているのもミルキィさんのお遊びです。本文構成も変則的な横組頁(往之巻としました)、縦組頁(復之巻としました)の両開き仕様を採用。荒俣宏の名作「帝都物語」カバー画・挿画をはじめ、寺山修司原作戯曲用のポスター画などなど、丸尾末広昭和暗黒絵画満載です。8月には『丸尾画報EX・II』が刊行予定で、タコシェおよび青山ブックセンターでIとIIをあわせた刊行記念イベントも開催の予定(情報はおって本ウェブにてお知らせします)。丸尾さんも編集部も今回の画集の出来栄えには大満足でした。(制作室)
é.t. : July 25, 2005 06:41 PM